弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

判例タイムズ1289号 民事裁判と当事者意識

座談会「当事者は民事裁判に何を求めるのか? 上」 よかったです。弁護士の実感と合致してます。和解のお上手でない裁判官には、当事者の心理を知るためにぜひ読んでいただきたく。

北川達夫、平田オリザ「ニッポンには対話がない―学びとコミュニケーションの再生」

対話を通じて変わっていく余地を持ちながら相互にコミュニケーションすることの価値を表現しています。また、ありのままで在れという観念を疑い、演じることの意義を説いている部分も大事なところです。両者の発言内容そのものを超えて、中間に立ち現れる、…

家庭裁判月報第61巻第4号 妻の潜在的稼働力、相続人廃除

・大阪高裁平成20年10月8日決定 婚費算定にあたり、無職の妻について潜在的稼働能力を考慮すべきという主張を排斥した高裁決定です(この点は原審も同じ)。 「潜在的な稼働能力を判断するには、母親の就労歴や健康状態、子の年齢やその健康状態など諸…

阿修羅フィギュアは完売なんですね。このフィギュア、手指の欠損まで再現されてることと、合掌の両手がつながれておらず(もともと一体のものとして作ったり、貼ってしまえば楽そうなものを)、上手く合わされていること(実物も、この両手の合わせ方がすご…

西岡常一、西岡常一棟梁の遺徳を語り継ぐ会「宮大工棟梁・西岡常一「口伝」の重み」

宮大工ものその6。あと残してるのあるかなあ? 前半は、日経の「私の履歴書」が収録されていて、今まで出てなかったエピソードもありよかったです。後半は、あまりに神格化しすぎててかえって上っ面な感じになっているのがちょっとです。

内田春菊、よしもとばなな「女ですもの」

空港の書店で購入。独自なライフスタイル、たいへん結構なんですが、私たちは違う!あなたがたの「普通」はおかしい!とそんなにも声高に主張しなくちゃいけないほど、「普通」から迫害されるものなのかなあ?と前から疑問なんです(この本に限らず。迫害さ…

小川三夫、塩野米松「不揃いの木を組む」

宮大工ものその5。「天地人」の「人」まで読んでると、この人の語る自画像と下から見る像に微妙にズレがあることがわかりつつ、それでもなお、そのようなズレがあるという現実も含めて、仕事論、組織論として参考になります。法律事務所をめぐるさまざまの…

弁護士三四郎「ネゴ・スキル」

うーん、どうしてこんなアメリカンな書き方なのでしょう? 想定場面も台詞も現実ばなれしすぎてピンときません。内容は「ハーバード流」など読んでいれば同じことなので、どうせアメリカ風味を我慢しつつ読むなら、亜流でなく本場ものを読んでた方がマシだろ…

ケース研究298号 家裁の内在的論理

・西澤哲「子ども虐待 虐待による心理的影響とそのケア、虐待傾向を示す親の理解とケア」 ・東京家庭裁判所「母の再婚と面接交渉 養子となった子と実父のケース」 ・沼上潔「医務室からみた家事事件」 ・藤川朋子「人事訴訟における調査官調査の実情」 「内…

これはおみやげの阿修羅。私も見に行きたいです。

お礼&おひろめです^^