弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

単行本

岡田淳「二分間の冒険」

いけにえによる竜退治の英雄譚でありつつ、行きて還りしの物語でもある。「選ばれた者」というテンプレを裏切ってくる展開、なぞときの頭脳戦、権力の汚さなど大人っぽい要素がありつつ、そんなのわからない幼い者にも十分におもしろいと思う。少年の成長と…

関秀志「北海道開拓の素朴な疑問を関先生に聞いてみた」

北海道博物館に行きたくなります。

鈴木大介「脳コワさん支援ガイド」

脳がコワれてるという共通項から求められる支援

頭木弘樹「食べることと出すこと」

潰瘍性大腸炎についての本でありながらあの人について一言も触れないのはすごい。

岡田淳「図書館からの冒険」

岡田淳先生!「選ばなかった冒険」がよかったので、最新作と思われるこちら。冒険話と人情話と社会問題のバランスがすごい。 「ぼくがわるかった」「きみはよくやってるよ」って、女の人が言われたい、双璧なのではなかろうか!!

ハリエット・レーナー「こじれた仲の処方箋」

斉藤倫「どろぼうのどろぼん」

ただしいとか、ただしくないとかじゃない。ただ、だれでもみんなまちがうし、その小さな無数のまちがいがあつまって、世界はできているというだけ。そのぜんぶを、すべて一気になんとかすることはできなくて、ただじぶんの近くにあるまちがいによりそい、手…

岡田淳「選ばなかった冒険 光の石の伝説」

○が死んじゃったことの抑制の効いた示し方とか、○が実は○だったとわかったら登場シーンにさかのぼって読み返したくなるところとか、戦いと平和、主役と脇役、人は役割のみにて存在するのか、などなど。名作。

川上弘美「三度目の恋」

姫野カオルコ「青春とは、」

金原ひとみ「fishy」

中井久夫「新版精神科治療の覚書」

「われわれはみな「自分の穴の中」にいる」 医師の万能感→患者が卑小化、彷徨的な治療 「診断書は求められれば書かねばならないという医師への強い義務には何を書いてもよいという強い権利で均衡されているのだ」(まさしく!) 「心気的な人は決してすぐれ…

井上佑紀「10代から身につけたいギリギリな自分を助ける方法」「子どものこころ・発達を支える親子面接の8ステップ」

「親子面接の8ステップ」をずっと放置してて、後から買った「ギリギリな自分」と同じ著者とわかったので続け読み。 「ギリギリな自分」はSOSミニレターの返信にすごく参考にしたい。 以下は「8ステップ」から。 ・たくさん我慢したこと、耐え忍んだこと…

小林桜児「人を信じられない病 信頼障害としてのアディクション」

春日第三版で紹介されてたので。 ・「直面化」→「動機づけ面接法」はもはや教養 ・「やめさせたければ、やめろと言わない」 ・「正したい反射」を抑え、説得ではなく交渉 ・うそによるほかは語られぬ真実もある ・違法でもしがみつくしかない浮き輪 ・リスク…

中村直人、山田和彦「弁護士になったその先のこと」

紛争系の書面は誰かを説得するための書面。迫力が要る。 「一気通貫性とかそういうもの」 「厳密な正確性とかそういうことよりも、迫力。」 「ドーン!ときて、「おお~!確かにそうだ!」と思わせるような説得力」 「タッタッタッタ! こうだ! 以上! って…

福永武彦「海市」

野村浩子「女性リーダーが生まれるとき 一皮むけた経験に学ぶキャリア形成」

河野貴代美編著「それはあなたが望んだことですか フェミニストカウンセリングの贈りもの」

よせあつめ文集的な?と思ったのですがいろんな切り口と全体のまとまりが両立してます。

村上春樹「一人称単数」「猫を捨てる」

小金井ごときでへこたれてもらっては困る。

曾野綾子「私日記11 いいも悪いも、すべて自分のせい」

金原ひとみ「パリの砂漠、東京の蜃気楼」

歌代朔「シーラカンスとぼくらの冒険」

少年の成長と夢とロマン。名作。しかし「ぼくらはサンタクロースの正体がどうやら両親らしいことを知って愕然とした」なんてことが突然、ストーリーとは無関係に書かれているので、サンタ信じてる系コドモに読ませるなら要注意です。

多和田葉子「星に仄めかされて」「地球にちりばめられて」

搭乗前にてきとうに選んだこれが旅の物語とは知らず、このことが旅となるとも知らなかった。「これは旅。だから続ける」

石井光太「赤ちゃんを我が子として育てる方を求む」

石水創「白い恋人奇跡の復活物語」

パウロ・コエーリョ「不倫」

梨木香歩「海うそ」、中勘助「島守」

保坂和志「読書実録」

・読書実録。読書と実録、読書の実録、読書は実録 ・たしかとはどういうことか? それはまったくたしかではないそれをたしかと思うことだ。(「カンバセイション・ピース」!) ・原因と結果はワンセット。 ・本当になる前にはっきり解読できているとしても…

鎌田東二×南直哉「死と生 恐山至高対談」

・死者はリアル。思い通りになるものがヴァーチャルで思い通りにならないものがリアル ・死体と遺体が失われたときに死者を立ち上げるやり方の一つが葬儀まあこのへんはいつもの発言… ・私(A)が私(A)であるということは、そのように自分の記憶が連続し…

シモン・ストーレンハーグ「ザ・ループ」「フロム・ザ・フラッド」「エレクトリック・ステイト」

ロボット好き男子といっしょに単に、画集として眺めていたのを、ようやく通読。 背後にはもはや、安全な日常生活なんかなく、戻るべき正常なゾーンもなく、出る道は前進しかない。(エレクトリック・ステイト) わたしたちのやってることは文明的じゃない、…