弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

NBL1073号 カトシン新連載

読者が「これは知らなかった」という事項を毎回入れることがベストではあるがセカンドベストとして「知ってはいたが、別の意味もあることを知る」「知っていたことが当然ではないことを知る」というあたりを志向、とのこと。やはりモノローグよりも座談で弾…

調停時報193号

調停時報…存在は知りつつノーマークだったのですが、けっこうためになる内容で情報量も多いじゃないですか! ケース研究以上と思いました。民事の方も載っているし、失敗例の連載はあ~なるほどね~と感じ入りました。これは部外者は買えないのかな。ケース…

二弁フロンティア2016年6月号 インターネット消費者問題

「インターネット消費者問題の法律実務の基礎と最新動向」

アナイス・ボルディエ「他人のふたご」

年若い乙女である当事者たちが書いてるのでブログみたいな読後感。ネットニュースあたりでサラっと読んでヘエ~と思うくらいな…ひとの人生の一大事についてこんなふうに批評みたいことするの悪い感じもしますが、それが本にするってことの意味なので…(とナ…

齋藤孝「こども孫子の兵法」

たまには、の育児もの。ネタ的に買ってみたこれですが、意外とヒットしました。見開きの右に載っている原文を親のあとから音読させ、解説はただ読んでやります。なにやらグッとくるらしくて4回も5回も続けて読まされるページがあります。園児も園児なりに…

判例時報2286号 認知無効

東京高裁平成26年12月24日判決 認知者の両親が血縁関係のない被認知者についての認知無効確認を求めた訴えを却下した原審を取り消し差し戻した高裁判決です。解説によれば原判決は「素朴な感情」によるもので、高裁判決は当然だそうです。

論究ジュリスト2016年春号 憲法

座談会 日本の立憲主義のいま 「いざという時」、個人の尊厳の義務的とらえかた、「権利それ自体が義務」、グローバルの要請と復古主義の抱き合わせ、「情念の動員」、90年代のやり直し、選挙とデモ、パトスとエトス、自己犠牲を軸とした新自由主義と保守…

金融法務事情2040号 23条照会

「座談会 地域金融機関における弁護士会照会制度の現状と課題」 どうやれば何がどこまで出てくるか、流動性があるので常におさえておくのが大事。 「金融判例研究会報告 共同相続人の1人に対する預金払戻しの拒否と銀行の不法行為責任」 鳥取地裁平成28年…

植本一子「かなわない」

褒めてる書評を見て読んでみたのだけど…ありかたとしては別にいいんですが作品としてすぐれているとかは特に思えず。

湯澤剛「ある日突然40億円の借金を背負う」

事業を投げ出すのは簡単だし割り切ればそんなに怖いことでもないのだけれど、よくぞ投げ出さず乗り切ったですね! 好事魔多し、警告としての出来事の受け止めなどなど。「Never Never Never Give Up」「主体的に生きること、それが道を拓く」

庄野潤三「自分の羽根」

第一章に作品としての文章があって、第二章以下で素に近い文章が並ぶと、作品としての文章は素に見えて作り込まれているとわかります。題材も文章もいかにも自然体に見えてそうではないことのすごさ! 「どうせ大したことは見も、感じも出来るわけではないと…

佐藤伸行「世界最強の女帝メルケルの謎」

「待つことの天才」、「脱政治」、「できるだけ長期間、さまざまな選択肢を保つスタミナ」「時とは恵みのしたたり」「結末をイメージしてからプロセスに入る」「マキャベリストでプラグマティスト」 「ビジョン(幻覚)を見る者は病院に行け」これはメルケル…

井戸まさえ「無戸籍の日本人」

見上げた活動ですごいなあと感心し胸をうたれながら読みました。