弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

判例タイムズ1432号 面会交流、医療訴訟、離婚

・「間接強制可能な面会交流審判の実情と留意点」 どのような場合にすべきか、どのように決めるべきか。 ・「医療訴訟における要件事実の整理に向けての検討」 ・東京高裁平成28年5月25日判決 妻が夫の暴言暴力を理由に別居して求めた離婚請求について…

ケース研究328号 破産と財産分与、認知症、子の心理、子の引渡、面会交流支援

「家事審判手続と破産手続の開始 財産分与を例に」 「時代の中で変革が進む認知症の人のとらえ方、生き方、支え方~超高齢社会の課題と希望」 「夫婦の紛争下における子の心身・言動について 児童精神医学の観点から」 「子の引渡しを求める審判前の保全事件…

判例時報2315号 医療訴訟

「カンファレンス尋問 複数専門家による口頭での知見提供の新しい方法」 カンファレンス鑑定とどう違うのかがいまいちピンとこなかったんですが。鑑定書で「特に定まった見解はない」と書かれていたがカンファレンス鑑定の場で、それは当たり前すぎて文献に…

村上春樹「騎士団長殺し」

ライトノベルかと思うような上っつらな人物像や舞台装置のこっぱずかしさを我慢しながら読んでいくと最終的には言わんとすることの核はわかるしそうだねって思うけど、読ませるための仕掛けをこんなにもちりばめなきゃだめなのかなあって思ってしまう。 でも…

藤沢数希「損する結婚儲かる離婚」

まあありていに言えばそういうことよね、ということが書いてある本です。当事者向け。弁護士は綺麗事しか言わないからこういうことを言ってくれないってあるけど、私はこれくらいはけっこう言いますけどね…。 普通の人は○○と誤解しているがこうだ、という箇…

小島信夫「靴の話/眼 小島信夫家族小説集」

保坂と庄野潤三と島尾敏雄が読めっていうのでとうとう読んでみた小島信夫のよさがまったくもって分からない我が身の悲しさよ。 視野狭窄的な文体が神林っぽい。「この世に2、3人しかいないと思ってるんじゃないの?」と妻に言われる場面なんて、ほんとそう…

江國香織「なかなか暮れない夏の夕暮れ」

何が起きるわけでもない日常の描写ですが(大竹氏の身の上には大変なことが起きますが扱いは気の毒なほど脇筋)、妙におもしろい。これ、好きです。USキッズランドなんていう読書向きでない空間で立ったり座ったりしながらこれを読んでると、読書中毒の稔…

久保利英明「久保利英明ロースクール講義 君は正義のために闘えるか?」

なんとなく読みましたがまあ別に勧めません。登場してるひとに興味があればという感じでしょうか。私は自分が個人のミニマム事務所でいくと決めているので田中早苗先生の個人事務所の勧めに励まされました。