弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

2019-01-01から1年間の記事一覧

濱野ちひろ「聖なるズー」

ズーとは、動物性愛者。 なにそれありえない、という第一印象が…読むと、なるほど?!となってしまうすごい本です。 動物性愛は病気かセクシュアリティか。 支配と関係性、パートナーどうしのパーソナリティの理解、欲望と自制、などなど。 恐怖や悲しみが人…

町田康「しらふで生きる 大酒飲みの決断」

要は一切皆苦、よって酒はやめるべしってことなんですけど、それはわかるがしかし私は感化されなかった!

神林長平「我語りて世界あり」

このくらいの語り口、難解さ(設定こみいってる!)が好き。だれの子でもない、私の子というあたりは「先をゆくもの達」につながる。「レームダック」は「オーバーロード」を再読してからにしたくてまだ読めていない。

朝倉かすみ「平場の月」

意地を張る美学で泣かせるみたいなのは好みではない。

おおたとしまさ「ルポ教育虐待」、友田明美「子どもの脳を傷つける親たち」

富岡多恵子「遠い空」

島本理生「夜はおしまい」

森瑤子

honz.jp

田中兆子

www.nikkan-gendai.com

判例時報2423号 元夫婦の建物明渡と権利濫用

札幌地裁平成30年7月26日判決 離婚後(財産分与審判係属中)の元夫名義の自宅について元妻への明渡請求が権利濫用とされた裁判例(損害金は認容)。

金融法務事情2126号 配偶者居住権

中田朋子「配偶者居住権の存続期間を遺言にどう書くか」 配偶者居住権の存続期間を妻が決められるようにする条項の書き方案!

家庭の法と裁判23号 人身保護、面会交流間接強制、負担付相続、遺産分割

・東京地方裁判所における近時の人身保護請求の実情について ・大阪高裁平成30年12月21日判決 面会交流の間接強制が信義則違反権利濫用と請求異議を認めた控訴審判決。 ・東京家裁立川支部平成30年1月19日判決 負担付相続の遺言の不履行で取消申…

ジュリスト1539号 配偶者居住権

「配偶者居住権等の価値評価と課題」

NBL1158号 債権法改正

債権法改正に関する経過措置の解説(3) 時効に関して。生命身体不法行為の損害賠償請求権は被害者保護のために施行日前でも新法。

判例タイムズ1465号 精神科、離婚後の自宅居住、法人格否認

・「精神科における損害賠償請求に係る諸問題」 特に、精神科における身体拘束に関する法令等の整理とあてはめ。 ・東京高裁平成30年8月31日決定 元妻の自宅居住を認める条項を含む公正証書をかわして離婚した元夫から事情変更による財産分与申立によっ…

判例時報2424号 訴訟活動と名誉毀損

東京高裁平成30年10月18日判決 訴訟の相手方申請の証人への反対尋問における発言が名誉毀損とされた高裁判決(棄却の地裁判決を変更。100万円)。

自由と正義2019年12月号 民事執行法改正

「債務者財産の開示制度の概要と実務上の留意点」 「国内の子の引渡し及び国際的な子の返還の強制執行に関する規律の明確化について」

ジェニファー・シニア「子育てのパラドックス 親になることは人生をどう変えるのか」

原題「ALL JOY AND NO FUN」。親が子に与える影響の本は多いが子が親に与える影響の本はそんなにない、と言われるとそうかも。ショッキングでシニカルな統計と、与える愛について。親になればもとの自分ではいられない、それはいかなる意味において? 考える…

ケース研究336号 調停に代わる審判

「調停に代わる審判の実情 事件類計別の考察」

判例時報2416号 グーグルマップ

東京高裁平成30年6月18日決定 グーグルマップの口コミについて人格権に基づく仮の削除請求を却下した原審への抗告を棄却した高裁決定です。受忍すべき部分と判断基準。原決定では一部の記事は削除が認められています。

ジュリスト1538号 懲戒、苦情、市民窓口

「連載 新時代の弁護士倫理 座談会 弁護士懲戒と弁護士自治」 本音とヤバイ話が飛び出してる座談会。即独支援、熱心すぎ弁護、会員サポート相談窓口、弁護士の孤立化、苦情と市民窓口、研修義務、弁護士自治のコストと強制加入と反権力、内側の脅威、理事者…

ジュリスト1537号 遺留分(相続法改正)

「連載 相続と法実務 遺留分制度と実務」

家庭の法と裁判22号 婚費養育費

「婚姻費用・養育費事件における実務上の問題 家事抗告審の最近の実務から」

堀川惠子「永山則夫 封印された鑑定記録」

あの笑顔の写真の謎、遺品の鑑定書を示すことによって環がつながれたこと。

鹿子裕文「へろへろ 雑誌ヨレヨレと宅老所よりあいの人々」

「本屋に並んでいる雑誌という雑誌を全滅させてやるぐらいの気持ちで作れ!しくじったら腹を切って死ね!腹を切って死んでも平気な顔をしてよみがえれ!そして何事もなかったようにまた雑誌を作れ!」 その意気で。

佐藤信顕「遺体と火葬のほんとうの話」

内容的にへーなのと、単なるおもしろめずらし話ではなくて信念あっての著作なのが感じられて良書でした。よい本と薦められて読んでじっさいよいとそのよさがその人に上塗りされてその人のこともますますよくなるマジカル。

金原ひとみ「アタラクシア」

このごろ読んだのは「夏物語」も「先をゆくもの達」もよかったしこれもよかったなあ。そして思い出すのは、なんだか動揺しての帰り道のあったことを、自分用メモ。 m.huffingtonpost.jp renzaburo.jp

和久田学「学校を変える いじめの科学」

・いじめを深刻化させるキーワード。シンキング・エラーとアンバランス・パワーが揃うと当事者どうしで解決できない。 ・考え方を変える、行動を変える、集団を変える・いじめ対策にも公衆衛生学的手法 ・HAHASO strategy 終章に「学校風土」とかありつつ、…

神田橋條治・白柳直子「精神科医と整体師の技術対話 いのちはモビール 心から身体から」

神田橋先生は、五本指イイコイイコとかなんなんだこの人は?と思ってましたが、本書は心理職ではない対談相手ならではのつっこみが見どころというような書評があったので読んでみました。 ・「と思っていた」が真ん中にくる。「いまにして思えば私は前からそ…

こころの科学編集部「こころの臨床を語る こころの科学対談・座談選」

・病気をきっかけに一段上の段階に持ち上げる。治すことは原状復帰ではなく成熟につなげられる。 ・関与と観察。家族は観察されることを求めていない。観察から関与に構えを変えることで目の前にいる家族が変わる。 ・家族の病理。病理は家族が新たな展開を…