弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

判例時報1996号 刑務所医療

仙台地裁平成19年10月16日判決 刑務所の健康診断の胸部XPで肺ガンを見落とした過失を認め国賠を認容した判決です。肺ガンと診断された(見落としを知った)のが平成17年、提訴が平成18年、判決が平成19年というのはずいぶんスピーディーだと思い…

姫野カオルコ「よるねこ」

これも一気買い後、数年放置していたもの。普通にうまいという感じ。これで既刊作品は全部読んだことになるかなー。

判例タイムズ1263号 遺留分と相続債務・倒産手続申立棄却

・民法判例レビュー判例評釈家族 福岡高裁平成19年6月21日判決 高裁判決も原審も金融法務事情にしか載らなかったようなので知りませんでした。遺留分権利者の負担する相続債務についての考え方を示したものです。遺留分と相続債務の問題は前から疑問だ…

姫野カオルコ「特急こだま東海道線を走る」

再読かどうか自信がないまま読み終えてしまったのは、いつものパターンの話しばかりの短編集だからか・・。いつものパターンといっても、嫌な男女の類型をあぶりだす非モテ怨念系の方ではなく、気を許すと関西なまりが出てしまう不器用な女性像系です。←この…

家庭裁判月報第60巻第4号 間接強制4例

婚費・養育費の間接強制を認めた決定例が4つ掲載されています(1日1000〜5000円)。

中野京子「怖い絵」

絵自体が怖いものもありますが絵解きにより怖くなる絵など。

田中森一・佐藤優「正義の正体」

アマゾンのレビューでは妙に評価が高いです。それぞれの本を読んでいるとそんなに目新しくないんじゃないかなと思いますが・・田中森一は率直に話している感じ、佐藤優はなんか距離を置いてるようにみえるけどいつもこんなふうかも。なかなかおもしろかった…

矢口敦子「償い」

ミステリってやつは・・どうしてそんなにも全てをつなげようとするのでしょうか。終盤、遺書の括弧書きでの無理矢理な説明が、妙にそこだけソードマスターヤマト的だと思いました。

メアリー・マイシオ「チェルノブイリの森―事故後20年の自然誌」

チェルノブイリ事故の立入禁止区域が豊かな自然の森になっているというルポ。皮肉な怖いはなしです。ちょっと取っつきは悪いですが(訳文がいまいち)類書はないみたいだし、よけいな傾向性も感じられないので読んでみたらいいです。

草薙厚子「いったい誰を幸せにする捜査なのですか。」

「幸せにする」とか言ってる時点でおかしいので、読んでもイライラするだけだろうと読む気は無かったのですが、先に読んだ人から意外とおもしろいと勧められて読んでみました。まあ言いたいことはわかりました。あと、たしかに思ったほどはイライラしません…