弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

2020-01-01から1年間の記事一覧

金融法務事情2152号 賃貸住宅管理

「賃貸住宅の管理業務等の適正化に課する法律」の解説

判例時報2460号 コロナ

小山剛「コロナ禍社会における法的諸問題 自粛・補償・公表 インフォーマルな規制手法」

NBL1184号 ビジネスと人権

「ビジネスと人権」に関する行動計画の意義

判例時報2459号 無断出産、コロナ

・大阪地裁令和2年3月12日判決 別居中の妻が夫に無断で融解胚移植→夫の自己決定権侵害で慰謝料800万円 ・木村草太「コロナ禍社会における法的諸問題 休業・休校要請の法的根拠について 特措法24条9項と45条2項の関係」

NBL1183号 司法解剖と文書提出命令

最高裁令和2年3月24日決定2件について

家庭の法と裁判29号 幼保無償化と婚費、子の監護者

・東京高裁令和元年11月12日決定 幼保無償化を理由として婚姻費用を減額しないとした高裁決定です。「幼児教育の無償化は、子の監護者の経済的負担を軽減すること等により子の健全成長の実現を目的とするものであり、このような公的支援は、私的な扶助を…

岡田淳「図書館からの冒険」

岡田淳先生!「選ばなかった冒険」がよかったので、最新作と思われるこちら。冒険話と人情話と社会問題のバランスがすごい。 「ぼくがわるかった」「きみはよくやってるよ」って、女の人が言われたい、双璧なのではなかろうか!!

ハリエット・レーナー「こじれた仲の処方箋」

論究ジュリスト35号 新型コロナウイルス

まさにまさに、こういうのを切に求めてたんです。 特集 パンデミックと公法の課題 パンデミックと公法の課題…山本隆司パンデミックにおける国の意思決定組織…山本隆司パンデミック対応における地方自治…飯島淳子世界保健機関(WHO)の国際保健規則と入港拒否…

家庭の法と裁判28号 監護者指定

大阪高裁平成30年8月2日決定 父から母(現に監護している)への監護者指定、子の引渡し申立を認めた原審判を維持した高裁決定です。父に監護者を認めている点、現状の監護を変更する命令である点が珍しい。子は小2と5歳。同居時の主な監護が父、母に交…

ジュリスト1551号 養育費

「海外法律情報 韓国 悪い父親たちへの警告 不払い養育費の取立強化」 養育費を払わない親の個人情報を公表するサイト「バッドファーザーズ」に関する名誉毀損事件で、公益性があるとして無罪になったとのこと(検察控訴中)。 8割のひとり親家庭が養育費の…

NBL1178号

「スルガ銀行・シェアハウス事件の被害者救済スキーム 全面解決への経緯報告レポート」 熱いです。いわく、「事件というものは弁護士の力だけでは解決できない。依頼者との協働によってのみ良い成果が得られる」と。

判例タイムズ1475号 DNAR

「第12回 医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウム」 延命の意思確認に関して家族の一部からの訴訟事案等が題材。生命倫理について。真の相互理解になってきたという発言も出ているように充実したやりとり。もっと寒々しい内容にもなりかねないもの…

斉藤倫「どろぼうのどろぼん」

ただしいとか、ただしくないとかじゃない。ただ、だれでもみんなまちがうし、その小さな無数のまちがいがあつまって、世界はできているというだけ。そのぜんぶを、すべて一気になんとかすることはできなくて、ただじぶんの近くにあるまちがいによりそい、手…

岡田淳「選ばなかった冒険 光の石の伝説」

○が死んじゃったことの抑制の効いた示し方とか、○が実は○だったとわかったら登場シーンにさかのぼって読み返したくなるところとか、戦いと平和、主役と脇役、人は役割のみにて存在するのか、などなど。名作。

ケース研究339号 面会交流、婚姻費用養育費

・「東京家庭裁判所における面会交流調停の新しいモデルについて」 「新たな運営モデル」による運営のイメージ図とか課題の把握シートとか。 ・養育費、婚姻費用の算定に関する標準算定方式・算定表の改定とこれに伴う実務上の諸問題 概要解説のほか、自らの…

川上弘美「三度目の恋」

姫野カオルコ「青春とは、」

金原ひとみ「fishy」

中井久夫「新版精神科治療の覚書」

「われわれはみな「自分の穴の中」にいる」 医師の万能感→患者が卑小化、彷徨的な治療 「診断書は求められれば書かねばならないという医師への強い義務には何を書いてもよいという強い権利で均衡されているのだ」(まさしく!) 「心気的な人は決してすぐれ…

判例タイムズ1474号 年金分割

大阪高裁令和元年8月21日決定 婚姻後9年間同居→別居35年で離婚の年金分割で、0.35とした原審判を変更して0.5とした高裁決定。

判例時報2450・2451合併号 相続放棄、子の監護者

・東京高裁令和1年11月25日決定 相続放棄申述について原審却下を取り消して受理した高裁決定です。固定資産税に関する市役所からの文書を受領してから3ヶ月経過していたものの諸事情から。 ・福岡高裁令和1年10月29日決定 妻(非監護)から夫(監…

判例時報2477号 面会交流

大阪高裁令和1年11月8日決定 父が求めた面会交流(前件調停条項に基づく)について、間接交流のみとした原審判を変更し、直接交流を命じた高裁決定。子は9歳、6歳。面会交流が途絶えたのは、母が父方で父の交際相手と会ってしまったことなど。中断前の…

こころの科学213号 秘密と嘘

・子どもの心理臨床における秘密と嘘 秘密をもてる能力、嘘をつける能力 lieとfiction ・秘密と嘘をめぐる思春期心性 私も知らない私の秘密 ・家族の暴力における秘密と嘘 ・依存症をとりまく秘密と嘘をめぐって ・秘密と嘘、その精神分析的理解 発達、発達…

井上佑紀「10代から身につけたいギリギリな自分を助ける方法」「子どものこころ・発達を支える親子面接の8ステップ」

「親子面接の8ステップ」をずっと放置してて、後から買った「ギリギリな自分」と同じ著者とわかったので続け読み。 「ギリギリな自分」はSOSミニレターの返信にすごく参考にしたい。 以下は「8ステップ」から。 ・たくさん我慢したこと、耐え忍んだこと…

小林桜児「人を信じられない病 信頼障害としてのアディクション」

春日第三版で紹介されてたので。 ・「直面化」→「動機づけ面接法」はもはや教養 ・「やめさせたければ、やめろと言わない」 ・「正したい反射」を抑え、説得ではなく交渉 ・うそによるほかは語られぬ真実もある ・違法でもしがみつくしかない浮き輪 ・リスク…

中村直人、山田和彦「弁護士になったその先のこと」

紛争系の書面は誰かを説得するための書面。迫力が要る。 「一気通貫性とかそういうもの」 「厳密な正確性とかそういうことよりも、迫力。」 「ドーン!ときて、「おお~!確かにそうだ!」と思わせるような説得力」 「タッタッタッタ! こうだ! 以上! って…

家庭の法と裁判27号 事情変更、一部分割

・広島高裁令和元年11月27日決定 和解離婚後の再婚、出生、定年退職を事情変更とし、退職後は義務者の年間支出予定額を基礎収入額と見て養育費額を算出した高裁決定。和解離婚時点で定年退職は予想しえたから事情変更に当たらないとした原決定を変更。 …

判例タイムズ1473号 養育費(学費)

東京地裁平成29年12月8日判決 「大学の入学金及び授業料の半額を支払う。」という給付条項を含む和解離婚して、現に大学進学して半額の分の請求。訴えの利益、将来請求部分とも肯定。

ジュリスト1547号 コロナ

連載 パンデミックと法実務 ・「パンデミックにおけるCSRとソフトロー」 ・「不動産賃貸借」 今般事態、経済情勢、個別窮境