弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

三浦瑠麗「孤独の意味も、女であることの味わいも」

女性の自伝ならひとまず読んでみるというだけだったのですが…びっくりしました。amazonのレビューに同じようなことがたくさん書いてありますが、なんか嫌いと思っている人でも読んでみたらいいのでは。 (追記↓) headlines.yahoo.co.jp この記事、わ…

金融法務事情2114号 相続法改正

「遺産分割前の預貯金債権の行使に関する理論的問題の整理」

ジュリスト1533号 弁護士倫理

「座談会 弁護士報酬と預か金管理」 完全成功報酬制(コンティンジェント・フィー)がどこまで許容されるか、医療事故周りでは気になるところで、どこから暴利なのかの議論など。海外では離婚事件での禁止(離婚を助長するおそれ)など。

判例時報2400号 法人の善意悪意

東京地裁平成29年10月27日 売主の瑕疵担保責任の売主の善意悪意の判断において、「中興の祖」である元代表取締役(現代表取締役の父)の認識をもとに悪意とした裁判例です。

金融法務事情2113号 配偶者居住権

「配偶者居住権と不動産競売」 配偶者居住権と抵当権の実行の対抗関係の整理。 配偶者が債務者である場合? 被相続人の債務を相続して債務者である場合?

片山杜秀「未完のファシズム 「持たざる国」日本の運命」

読めない期にあったときに「必読」と勧められてGWにやっと読んで(改元の読書としてふさわしかった)、そしてやっぱり必読です。第一次世界大戦の教訓として日本が何を得たか、そこからどうして第二次世界大戦につながったか。

判例時報2398号 支援金と不当利得

東京地裁平成30年9月27日判決 被災者生活再建支援法による支援金について、り災証明が修正されたことにより不当利得となるかどうか。本判決は棄却判決ですが、同じ9月に東京地裁で認容判決も出ています。

論究ジュリスト1532号 相続と登記、弁護士倫理

・「相続と登記 相続による不動産物件の承継の対抗要件」 ・「座談会 事件受任における弁護士倫理」

判例時報2395号 間接強制、ハーグ

・大阪高裁平成30年3月22日決定 面会交流の間接強制金を原決定の1回5万円から20万円に変更した高裁決定です。相手方は歯科医師で年収476万円。申立人から相手方への婚姻費用は月額21万円。 ・大阪高裁平成28年8月29日決定 ハーグ条約の子…

金融法務事情2110号 相続法改正

「相続預貯金の無権限払戻し(いわゆる勝手払い)と相続法改正」

ジュリスト1530号 相続法改正

「連載 相続と法実務 預貯金債権の共同相続」

家庭の法と裁判19号 相続法改正、婚姻費用、遺言無効、養育費減額

・「相続法改正における公証実務上の留意点」 ・東京高裁平成29年12月15日決定 高額収入と婚姻費用 ・東京高裁平成29年8月31日判決 認知症の公正証書遺言の遺言無効の認容例 ・大阪高裁平成28年10月13日決定 養育費の変更。私立高校進学し…

判例タイムズ1457号 IT化

・「米国における裁判手続等のIT化の現状について」 ・東京高裁平成30年4月20日決定 原審(無職の申立人の潜在的稼働能力認定、相手方が子を連れ去り監護していた期間の婚費減額せず)→抗告審(子が幼少で潜在的稼働能力否定、監護していなかった期間…

江國香織「彼女たちの場合は」

ひたむき(視野がせまい)で謎の自分の感覚で突き進む系のいつもの江國です。

「ろう者のがん闘病体験談」

手話は日本語ではないとか、ろうの方が日本語を読めばわかるというわけではないとは知りませんでした。情報の入力方法が違うことで、ものごとのとらえかた自体が違うというのは説明されてみればなるほどです。

吉田修一「続横道世之介」

愛すべきダメ人間像をあじわう心地よさがあります。

ハンス・ロスリング「ファクトフルネス」

自己啓発系の本みたいに思うかもしれませんがそんなことはなくて、知のためには読んでおくべき本でした。 「悪い」と「良くなっている」は両立する。

東畑開人「居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書」

「大感動のスペクタクル学術書」ってなんのことやらですが本当にそうなのです。 氷の下にクジラがいて、クジラも含めての全体であること。

清水聡「家庭裁判所物語」

仕事として家裁に出入りすることのある人には必ず全員読んでほしい! どうしてこんな地味な装丁で、昔に出た本の復刻版みたいなどうでもいい感じなのでしょう? これはすごい本ですよ。胸をうつ愛と感動の物語が家裁にはあったのです。しかし今は? 掛け軸は…

平野啓一郎「ある男」

ライトで確実におもしろく読めるものを求めてたときに。期待どおりでした。

久保田勇夫「役人道入門 組織人のためのメソッド」

役人でも組織人でもないですが、だからこそのお勉強として。 ・鉄のような厚い面の皮とずぶとさに徹した腹の黒さ! ・ある事項を説明するときにそれに最もふさわしい表現はただ1つ。それぞれの状況において最も適切な文書はただ1つ。作文修行はこの唯一の…