弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

判例タイムズ1192号 不貞慰謝料など

「鼎談、民法学の新潮流と民事実務」
ダブル加藤先生の鼎談。加藤雅信先生の素敵なネクタイはどこのものなのでしょう?
民事訴訟実務と制度の焦点」
瀬木判事の連載。
不貞慰謝料請求訴訟の問題性について論じられているところ、うなずきつつ読みました。
不貞の慰謝料請求をしたい、という当事者は多いものですから、訴訟制度に対するその種の需要が相当程度あることはたしかです。ただ、それが、自然な法意識としてのものなのか、そういう制度があると知っているからこそそういう行動となる、制度に規定された意識という面もあるのか…。
アリー・マクビール」では、「破綻離婚を認める我が州では不貞の慰謝料は認められない(というかんじの裁判官のセリフがありました)」ことにまつわるストーリーがいくつかあった記憶です。実際どうなのか分かりませんが。アリーはそのことに挑戦的だったような…。物語としてはそうなるのでしょうね。
また、人身損害について論じられていることも同感。
消費者訴訟に関し、「社会的正義を実現するための訴訟であるからといって通常の訴訟よりも主張立証が大ざっぱでよいということにはならないはずである」と。本当にそうです。