2007-04-02 津村節子「瑠璃色の石」 単行本 吉村昭氏とのなれそめや、まだお二人とも世に出る前の時期を描いた自伝。 学習院文芸部の活動の様子や、三島由紀夫との交流などもおもしろい。 同人活動などの描写で、いろいろ挙がっている人名を見ると、たしかに当時は第一線の作家とみえた人も、たとえば今も文庫が出ているとかで読み継がれているといえるような、残る作家は少ないものだと思います。必ずしも、作品の力ではないのかもしれませんが。 それぞれ賞の候補になって落選するなど、世に出る前の夫婦で文学する日々は、淡々と書かれていますが緊迫感があります。