弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

林芙美子「下駄で歩いた巴里」

林芙美子紀行集 下駄で歩いた巴里 (岩波文庫)
4月からつらつら読んでいたんだけど、この中の「文学・旅・その他」が特に良くて何度も読みかえして、なかなか読了ということにならなかった。最近はまってた須賀敦子のような整った美しい文章も好きだけど、やはりこうした勢いのある無頼な文章にぐっときます。
「野心は満々たるもので、自分ながらえげつないほどだ。」「休んでいると馬鹿になってしまう。馬鹿の上に馬鹿になってはつかいみちがない。」「天才を語られたのは文化の発達しなかった昔のことで、現代では逞くましい常識家が必要である。これは何の道にもあてはまることで、今日、私がうらやましがっているのは天才ではない。豊かな常識の道であり正しい認識へのあこがれである。」などなど。