弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

島崎今日子「〈わたし〉を生きる――女たちの肖像」

〈わたし〉を生きる――女たちの肖像
これまで知らないでいた立派な女性がいることを知ったのはよかったのですが、よくもわるくも「アエラ」っぽい切り口、文章という印象。みんな鬱屈屈折を抱えすぎてる(ように書かれすぎてる?)。これの前に読んだ「和子の部屋」の中で「喜怒哀楽のなかでベースの感情はどれ?」というくだりがあって、角田光代は「怒」だというのがやっぱりねと思いつつ、ここに出てるひとたちも「怒」がベースとみえますね。前に女性エッセイについてこう書いたことがありますが(→思うに、世の中の女性エッセイって、「ひとりで外食できない私」とか「たまに奮発しようと思ってもつい慎ましくしてしまう私」とかのこぢんまり自虐系か、「この私に『普通』を強要する世の中おかしい」とか「男ってバカ!」とかの憤り系ばかりじゃないでしょうか。自虐系は読んでてイライラするし(ひとりで外食できないとかわけわからん)、憤り系はササクレ立つので(わざわざひとのを読まなくても自分の内心だけで十分)、どちらもうっかり読んでしまわないようにいつも気をつけてるのです。あと避けたい系統としては、迷信臭い系(ポジティブ思考でどうのこうのとか)もありますね。)、エッセイに限らず小説でもなんでも、「怒」ベースのものは疲れるからわざわざ読みたくないというのがここ数年ではっきりしてきた傾向。加齢現象か。読むものの守備範囲がどんどん狭くなっていく。