弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

保坂和志「未明の闘争」

未明の闘争
いつもながらの猫ばなしだけでなく、火宅の人みたいな不倫エピソードもあるのですが、猫と不倫相手とが愛玩対象として重なってるということかなとか、ポッコとジョジョのエピソードを話者ではなく友人の話にズラしているのも不倫を扱っていることと関係あるかなとか。
そんなことはともかく、ほんとにほんとに保坂!
いろいろ言いたいけど言い尽くせない。

以下はツイッターから。
ロンカータープレイズバッハを聴きながら保坂和志の未明の闘争読んでると破調の二乗で頭がもかもかしてくる。ロンカーターのバッハははじめ聴いたときは何じゃこりゃと思ってわりとすぐに止めたんだけど、こんかい片付けがてらにまたかけてみたら病みつきになった。実際に聞こえている調子っぱずれの音とあわせて脳内には本来の音も流れてその相乗作用がすごい。そしてこの感覚は保坂の文章が脳にくる感じと近い。
ふだんは風景描写なんてけっこう読み飛ばすんだけど、保坂のは保坂が偏執的なきもちで書いていると思えばこそしっかり一字一句読んであじわう。

言いたいこと伝わるかなあ? ロンカータープレイズバッハは本来の旋律と音程が激しくズレてるんだけど、もともと知ってる曲なわけだから本来の旋律も脳内で再現されるし、それとロンカーターのズレた音とが合わさって聞こえることで、脳内と実際の音との調和でトリップ感があるんです。保坂の文章も同じトリップ感がある。ってこと。結局、ちょっと言い回しを変えただけで同じようにしか言えていないけど。