弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

判例時報2347号 医療訴訟、高裁

藤山雅行名古屋高裁医事関係訴訟検討委員会の活動状況と医事訴訟の課題」

「仮に実体的真実に合致する判決を水準の高い判決と仮定すると、医事訴訟の判決の水準は、通常の民事訴訟に比べてかなり低いのではないかと危惧される。」

そして、藤山裁判官流の訴訟指揮。

・民事控訴審の審理の充実-実態調査を踏まえた提言(下)

「本当に目をぎらぎらされて睨まれると、裁判官も、じゃあもう一回くらい期日を入れようかというふうになるんじゃないかと思います」

日本テレビ報道局天皇取材班「昭和最後の日 テレビ報道は何を伝えたか」

平成最後の日を前に、ということで家にあったので読みました。報道や取材のありかたをいろいろ正当化しているものの、こういうありさまがまさにマスコミの悪いところとしか思えず、共感できないままでした。時系列をなぞっているだけで深みはなく特におもしろくもないものの、昭和のムードがなつかしいというだけが推進力になって読み進めてしまいます。

昭和最後の日: テレビ報道は何を伝えたか (新潮文庫)

里見清一「見送ル」

読み途中も含めてコレ系を洋モノばかり読んできたのでたまに和モノも。

あまりエキセントリックだったり悲憤慷慨調や露悪的にすぎるものには触れたくないので冒険でしたが、これは文体が自分に酔った男調紙一重ながらそういう意味ではセーフで内容もごもっともと思いました。

ほかによいのがあったらどなたか教えてください。

見送ル: ある臨床医の告白

判例時報2346号 代襲と特別受益

福岡高裁平成29年5月18日判決

贈与後の代襲と特別受益について消極説に立ちつつ特段の事情を認めた高裁判決です。

ケース研究330号 遺産分割

二宮周平「遺産分割と預貯金」

・長秀之「家族法と公証実務」

離婚届出を公正証書作成からある程度時間を経過した後の時期にする旨の記載について消極説と積極説。面会交流の違約損害賠償額の予定は消極。

 

Jerome Groopman MD「決められない患者たち」

「誰かをそのまま死なせてやることはとても簡単だが、誰かを救い、生きていると実感させるには努力と決意そしてスタミナがいる」

「自立性」「与益」「無危害」

「信じる者と疑う者」「最大限主義者と最小限主義者」「自然志向と技術志向」

「治療必要数」「有害必要数」

「焦点化幻想」「可用性」「可用性バイアス」

ジャッジメント・ベースト・メディシン」

日ごろは達観したように話していてもまぎわでは避けられない死を受け入れられなかったケース、一時的に呼吸器につなぐだけでまだ長らえたはずなのに積極治療拒否の初志を貫徹してしまったケース、日単位の余命になりつつ肝移植で奇跡的な生還を遂げたケース。

決められない患者たち

 

判例時報2342号 特別縁故者、民事控訴審

名古屋高裁金沢支部平成28年11月28日決定

被相続人の入所先の障害者支援施設に相続財産の全部(約2200万円)を分与するとして、これをまったく認めなかった原審決定を取り消した高裁決定です。

・民事控訴審の審理の充実 実態調査を踏まえた提言(上)

平成16年の司法研究提言の功罪的な。