弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

宮尾登美子「櫂」「春燈」「朱夏」「仁淀川」

櫂 (新潮文庫)
朱夏 (新潮文庫)
仁淀川 (新潮文庫)
自伝四部作を一気読み。
喜和が離縁されるくだりや、綾子が困難を抱えるくだりで思うのは、自立できないとはかくも惨めなもの、ということで、これは決して過去の話ではなく、今だってこういうことはそこらじゅうで起きているのです。
綾子の満州の難民生活でさえ、食事の配給があり、最低限以下でも何とか生きて戻れたわけですが、常にそれが保障されているわけではありません。
自分の働き以外の作用で食べていかれる環境にある場合には、その糧がどこからくるものか、たまには意識した方がよいでしょう、なんてことを思ったりしました。
話がずれていきましたが、これはとにかくすごい作品で、こんなものを読める幸せに、深刻な飢えのシーンなんかも描写のうまさに、読みながらわくわくするほど。
続きは果たして出るのでしょうか。