弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

朝吹真理子「きことわ」

きことわ
文章も雰囲気もすごく好みでした。この系では、私がイヤな不思議思わせぶりっ子風味とそうでないのとの区別は読んでみるまでわからないのがつらいとこですが、「きことわ」はそういう臭みはなくてとにかくよかった。これまで、中勘助みたいなのかなと思って読んで失望するということが多かったのだけど、中勘助が格調高く美しく書いているときの美しさみたいな美しさ。
で、家のもつ記憶ということでは、保坂和志「カンバセイション・ピース」を思い出したり。といいつつ「カンバセイション・ピース」の当時の感想を読み返すと、やはり読み切るのに3年もかからせた「カンバセイション・ピース」はすごかったな・・(「きことわ」は1時間弱で読んでしまった)。このごろ「テルトゥリアヌスの矛盾そのものの言葉」のことを思い出して考えることが多くて、何で読んだんだっけと思ってたけど「カンバセイション・ピース」だったか。ついでに「カンバセイション・ピース」の最終章のすごさについては「ほぼ日での対談」が種明かし?をしているのを見つけた。これ読んだってやっぱり意味不明なんだけど、言葉で言えないようなことをそれでも「カンバセイション・ピース」は表現できてるのがすごい(話しがそれた)。