弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

保坂和志「試行錯誤に漂う」

 12月から半年かけて読んだ。いろんなことがあった半年であった。

「出来事や行為には現在という時点から前に向かうプロセスしかない。」「生徒根性」「山の向こうに山以上の何かがあるのではなく、山がある。山を見て人が山より大いなる何かを予感したのだとしても、それはまだ汲み尽くしていない山のことだ。目の前にある山を見て、言葉はわずかなことしか語らず、語りきれないものが山の向こうにある何かであると人は感じるのだがそれが山だ。」「「いいこと」はすでにある。」

試行錯誤に漂う

キャスリーン・フリン「ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室」、土井善晴「一汁一菜でよいという提案」

ダメ女の、丸鶏をさばくのくだりは、日本だったら魚をおろすという感じでしょうか。

一汁一菜は、一周回った着地点。おみそしるの画像がちっともおいしそうじゃないのはこれでよいというわざとなんだと思うけど、やっぱりおいしそうじゃない…

ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室

一汁一菜でよいという提案

村上春樹・川上未映子「みみずくは黄昏に飛びたつ」

「能動的に待ち受ける」「僕よりうまく書けるやつは少ない」「どや、悪いようにはせんかったやろ」「高揚感とどうだ感」

集合的無意識って神林も言ってたなとか、保坂はなんだかんだいって物語が書けないからなー、とか。言いたいことを言いたいままに言うのではなくて、物語のウツワにどう盛るか…地下2階の世界と文体を磨くことと。

 

みみずくは黄昏に飛びたつ