弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

判例タイムズ1435号 争点整理、面会交流

・「民事訴訟の争点整理手続の充実に向けた取組について 新人弁護士でもできる書面上の工夫」

ささやか論文。裁判所を信じている若さを感じつつ圧倒されます。

・大阪高裁平成28年8月31日決定

非監護親(母・中国籍)が求めた面会交流について、監護親(父)の再婚、未成年者らと再婚相手(中国籍)との養子縁組という事情があっても認めた高裁決定です。なお、非監護親も別の男性との人生を選んで、「子はいらない」などと記した誓約書を差し入れたという事情があるようです。

曽野綾子「私日記9 歩くことが生きること」「私日記1 運命は均される」「堕落と文学 作家の日常、私の仕事場」

最新刊が私日記9。お元気だなーと感心しながら読んでいくと、講演中に倒れかけて講演はやめることにしたり、そして終盤、朱門さん入院と息子さん手術のあたりの緊迫感。ガラリと優先順位がいれかわるこの透徹した感じ。

これまでの刊行ペースだと続刊は3年後くらい…と、待ちどおしい思いで、私日記1に戻ってみました。20年前。元気も元気だし、文章の調子や内面の感じが1と9とで20年の経過を感じさせないのがどう言ってよいかわからないけどすごい。

 

私日記〈9〉歩くことが生きること (私日記 9)

私日記〈1〉運命は均される (私日記 1)

堕落と文学―作家の日常、私の仕事場

ネヴィル・シュート「渚にて 人類最後の日」

曽野綾子さんが日記で触れてたからという理由でのコレ。WEBで感想などみると、科学的にはナンセンスらしいですが、読み物としてはよかったです。

渚にて【新版】 人類最後の日 (創元SF文庫)

壇蜜「泣くなら、ひとり」

作家の日記がもっと読みたい!と思ってしかしちょっと違うだろうと思いつつのコレ…。で、私は、益田ミリとか角田光代みたいな自虐卑下系の女性エッセイはイヤなんだけど世の中にそういう需要が強いのかそういうのって本当に多くて、これもやっぱりそれ系でした。

泣くなら、ひとり 壇蜜日記3 (文春文庫 た 92-3)