弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

こころの科学204号 子どもの”困った”感情

定期購読誌をふやした。「こころの科学」。必要があってバックナンバーを読んだらその他連載もよくて直近号も読んでこれは毎号読もうと。著者名読まずに記事読んで、これは!と著者名ふりかえってやはり!と納得とか折ったり線引いたり一人でさわがしい。

20:33 - 2019年6月27日

法律系の雑誌は折ったり線引いたりなんかはまずしないんだけど、読んでるときにつかってる脳の部位が違うのかなあ。

20:36 - 2019年6月27日

・嘉嶋領子「いじめをする子どものこころと「いじめ」について」

いじめ被害者は急性期、いじめ加害者は重篤であっても慢性疾患。緊急のケアは被害者。発覚→すみやかに止めること。加害者にとっても断ち切ることが必要。

野坂祐子「加害者のトラウマを扱う」

裏切り、拒絶による対人関係のコントロールは、無力さや非力さから脱し、有効感や効力感を得ようとする子どもなりの方略。

伊藤絵美宮地尚子「こころの内海に潜る スキーマ療法と環状島」

健全な養育→解く必要のない魔法。戦場で子どもに現実を見せない、安心させる関わり。

たとえばここが戦場だとして、銃弾が飛び交っている時に、親が子どもに「ほら見なさい、私たち今すぐ死ぬかもしれない」とは言いませんよね。抱きしめて「大丈夫だから」と言ってあげるのが第一に大切なかかわりですが、それをしてもらえていない人がたくさんいます。何があっても大丈夫だと思える核のようなものを与えてもらえなかった人に、今からそれを与えていくことが必要になります。

・田中茂樹「甘えることをやり直す」

「子どもを信じること」の田中先生。

こころの科学204号 子どもの“困った

判例時報2403号 物価水準と婚姻費用

東京高裁平成30年4月19日決定

中国在住妻(中国国籍)から日本在住夫(日本国籍)への婚費請求で、物価水準を考慮すべきという夫主張を入れなかった原審判(算定表の枠内で考慮すべき)を変更して日本100:中国70で算定(生活費指数で考慮)するものとした高裁決定です。

二弁フロンティア2019年7月号 成年後見

成年後見実務の運用と諸問題」

マニアックめだけど知りたいようなテーマのQ&A。

・対立親族の本人囲い込みや本人が受診拒否事例での申立

・死後事務委任契約

・後見人報酬確保

・終了後の計算報告の範囲、対象

・対応困難本人と辞任

堂薗幹一郎ら編著「概説改正相続法」

このあいだ他会で改正相続法の講義の依頼があったけど結果としてお断りしてしまったのが申し訳なしですが、私は、講師が講師である必然性がなく単にお勉強の成果を披露するだけの研修、定例で何かやらなきゃいけないし若手に場数を踏ませておくかみたいな研修、1人で本を読んでおけば得られる知識以上の講師の熱さとかオーラとかしゃべりじゃないと伝わらないタイプの何かを得られない研修を憎んでいるのですみません。私がやってもそういうたぐいの研修にしかならないとわかっていたので。それに一応本とか読んで備えてるとはいっても、教えるレベルの勉強と、実務で当たったときにここ何かあったなと思い出してあらためて調べられる程度にインデックスを立てておく程度のレベルの勉強とではまったく違うじゃないですか。と、いじましく言い訳。

概説 改正相続法―平成30年民法等改正、遺言書保管法制定―