原題「ALL JOY AND NO FUN」。親が子に与える影響の本は多いが子が親に与える影響の本はそんなにない、と言われるとそうかも。ショッキングでシニカルな統計と、与える愛について。親になればもとの自分ではいられない、それはいかなる意味において? 考えるのによい本です。
・幼児との腹立たしい交渉
・女性の幸福にとって仕事はよい影響をもたらすが、子供がそのプラスの効果を打ち消してしまう傾向にある。
・どんな活動に最も喜びを覚えるか? 子供の世話は19項目のうち16位。一緒にいて楽しい人リストの中でも自分の子供はかなり下位。
・喜びはあるけど、楽しくはない。
・わたしたちはみな、自身の経験の総体である。その経験のなかでも、子育ては大きな要素のひとつだ。もしかしたら、最大の要素ですらあるかもしれない。
・永続する関わりを求めてこない現代の文化のなかで、最後の束縛として残ったのが子供なのだ。
・仮に現在の環境が完璧であってもわたしたちは、現実の人生と夢の人生のあいだのどこかで暮らすようになる。むずかしいのは、そのグレイゾーンとうまくつきあい、生きるに値する人生には何かしら束縛が伴うものであると認識することだ。
・たいていの大人は、寛大さや無条件の愛にあふれる世界には生きていない。小さな子供と暮らしているのでないかぎりは。
・答えることはできなくても、問いを立てることには力がある。そういう問いは答えではなく啓示である。
・求める愛と与える愛。愛する子だから世話をするのはなく、自分が世話をしている子を愛するのです。
・最良の自分になるためのチャンスを子供から与えられる。
・家族や子供から何もかも得られるわけではない。
・苦い思いにとらわれることなくこれまでの経験や選択と折り合いをつける。
・ケアか義務か。
・子供は、親が朝起きる理由である。
・幸福の実現とは、自分の人生を自分より大きな何かへ結びつけること。
・経験する自己と記憶する自己。
・最も生産的な大人たちは、子供を自分の超自我と見なしている。
・幼い子を残していく死は、哲学的問いにはならない。いつもの生活に、ちょっと多めのパンケーキ。