普通に交渉術本の一種としても参考になりました。
シェリル・サンドバーグ「OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び」
「Unfinished Business」が「LEAN IN」を超えているあいだに、シェリルもその先に行っているという感じ。
判例タイムズ1439号 ガイドラインと医療訴訟、免責不許可
・「第9回 医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウム」
今回の読後感は裁判所に文句を言いたいというのではなく、展開が難しそうなテーマをうまく提案してよい読み物にしたなあという感想。
血栓症予防なんてみんなやってないみたいな話しが続く中、予算的な事情、大半の医療機関が同じという話しは患者が納得する理由にならない、やるべきとされていることをやらない合理的な理由があるのか、という弁護士(患者側)からの指摘、それに対しての医療側の反論まではないままで話題が変わっているけれど、ここはどこまでも平行線なのかどうなのか。
同じく弁護士(患者側)からの、ガイドラインで鬼の首というのではなく、ガイドラインと事件の実情を比較して、ガイドラインと違うことの合理的な理由があるのかがポイントという指摘。医療側の、1秒の延命という極端な提起に対してきちんと言っていただいているところも。
こういう、予定調和ではない真剣勝負の議論で、ともすると変な方向に引っ張られていきそうなところでタイミングをのがさず言うべきことを言うのはとっても難しい、訓練が必要なこと。きちんと言っていただいてありがたい。
高瀬医師の、患者本人にとってのガイドラインと自己決定、ガイドラインと違う選択をするときには合理的な説明が必要、という指摘。大磯医師の、事例2で説明義務違反がとられたのはやむを得ないという指摘。このあたりは、まさに相互理解。
・千葉地裁八日市場支部平成29年4月20日決定
破産申立直前に離婚して復氏して解決金100万円を受け取っていたのを伏せて婚氏で破産しようとしていたのが、債権者の調査で露見して免責不許可。当該債権者への損害賠償債務(不貞慰謝料)が主な債務(あとは自動車ローン1件、カード会社1件だけでそれらは破産するほどでなし)で、要は不貞慰謝料を逃れるための破産だったのに、結局は逃れられず終わるという…。そして、離婚と解決金受領の際の代理人が本件破産も担当していたようで、これはこれで問題になりそう。
ジュリスト1511号 医療訴訟
「裁判官に聴く訴訟実務のバイタルポイント 医療訴訟(2)」
東京地裁の審理運営指針(平成25年)の読み方など。平成19年指針との違いの背景、提訴前準備、計画審理は心がけはあれど現実問題として難しい、など。