弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

判例時報2274号 特別縁故者、寄与分、婚姻費用と学費と負債

 ・東京高裁平成26年1月15日決定

特別縁故者の申立を却下した原審を維持した高裁決定です。身寄りがいない被相続人に法要や庭木の管理などはしていたのですが認められなかったものです。なおこの裁判例、判時は解説ありで原審掲載なし、判タ(1418)は解説なしで原審掲載あり。

・大阪高裁平成27年3月6日決定

被相続人の土地取得費用を相続人が負担したと認定して、これを認定しなかった原審を変更し、寄与分を認めた裁判例です。

・東京家裁平成27年6月26日審判

夫の母が夫を連帯保証人として長女の留学費用350万円を借り入れ、夫は母に対する負債等約500万円を負っている。夫は長女の学費のため80万円、二女の学費のため114万円を借入。妻は長女の奨学金として238万円、二女の奨学金として235万円、オートローン130万円を借入。長女は私立大学3年生、奨学金、アルバイト。二女は私立大学1年生。夫の年収300万円、妻の年収400万円。という家庭の婚費分担…。算定表上の婚費は2~4万、二女の学費の算定表超過分は夫婦の収入で按分して月額3万円を加算し月額7万円という結論。長女の学費は考慮せず、また、夫の負債も考慮せず。