弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

ギャヴィン・ディー・ベッカー「暴力を知らせる直感の力」

・法律違反による逮捕は「法制度」対「法律違反を犯した男」の関係であるのに対し、禁止命令違反は「虐待者である男」対「妻」の関係。だから虐待者に対しては、あらゆる罪状を見つけて訴追するほうが、禁止命令を取るよりよい。

・問題は安全の確保にあって、正義にあるのではない。

・ここには正義を求めて来ないでください

・なにかを恐れているということは、そのなにかがまだ起きていないことのたしかな証拠である。恐れているのが、恐れていると思っていることである場合は少ない。恐れているのは、恐れに結びついていることである。

・恐怖の信号に反応している(自発的ではない)or心配しているだけ(自発的な反応)

・心配は「選択」、それがその人の役に立つから。断る口実、言い訳…。心配には目的がある。心配は問題の解決には結びつかない、それどころか妨げになるかもしれない。

・心配することは自分の選択であり、副次的な目的は、心配していればものごとを変えなくてよい、自分の無力さを認めないでいられる(祈りのほうがはるかに生産的)、人との関係を維持できる(愛や愛をあらわす行動のお粗末な代用品)

・恐怖と苦痛は人生にあってもしかたないが、心配と苦しみは不要

・恐怖を感じたら耳を傾ける、恐怖を感じないときはそれを作り出さない、なにかが心配なときはなぜなのか理由を探って突き止める

・異状がないことをたしかめる、ではなく危険を見つけようとする

・本物の恐怖と違い、不安は不確かさから生まれる。

・危険は雷雲のなかにだけあることを知り、晴れ渡った青空のもとでは大いに人生を楽しもう

暴力を知らせる直感の力 ──悲劇を回避する15の知恵