弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

判例時報2511、2512号 IT化

「特集 裁判手続のIT化のこれから・市民にとって利用しやすい裁判とは」

(上)

綿引長官!!!loveです

・IT化によって審理を充実させようという議論の中できちんと争点整理ができていない現状についての反省も必要。

・言い分の違っているところをただ並べてみるのが争点整理というふうになっているような争点整理手続が増えている。

・口頭議論について裁判官は充実していると、弁護士は活性化していないというアンケート結果。裁判官は自分の疑問をたずねて解消したらOKと思っているが当事者は裁判官の頭の中がよく見えていない。裁判官が疑問をぶつけっぱなし、代理人が答えっぱなしでは争点整理にならない。どの点について共通の認識ができたのか、どこに食い違いがあるのか、どこを解明していかなきゃいけないのかを一つ一つ共通認識を築きながら積み上げていくことが必要なのに、十分できていないのが現状。

大屋教授発言も。法律は普遍的正義を実現するための国家権力。地域社会の不合理な慣習を打倒するもの。社会正義のための手段としての裁判と、当事者の納得とか合意との間には緊張関係があり、弁護士は両面の結節点にいる。

(下)

綿引長官 何かがおかしいということを感じるための感性がリーガルマインド。それを論理的に説明する力を失ったら法曹は存在意義がなくなる。リーガルマインドと論理性がわれわれの最後のとりで。データをデータとして使う。われわれはツールのことばかり考えていたような気がする。