弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

判例タイムズ1214号 オーバーローンの共有建物の分割方法

東京地裁平成18年6月15日判決
原被告は建物を2分の1ずつ共有。原被告は、被告の姉が原告の元妻という関係。建物建築資金として原告は現金を出し、被告はローン負担。敷地は被告、原告の元妻(被告の姉)他の共有で、敷地利用権は使用貸借。建物には被告、原告の元妻、子らが居住。被告の負担するローンにより建物はオーバーローン。
という状況での原告からの共有物分割請求で、被告は全面的価格賠償を主張。
建物を競売しても分割すべき剰余は生じない。離婚の経緯から原告が建物に居住する可能性はない。
という事情から全面的価格賠償が相当と。
そして、建物の評価について、被担保債権を考慮しない建物の時価という原告の主張を容れず、「原告の潜在的利益を総合的に考慮」して100万円の価格賠償と。
離婚争いや遺産分割争いのなれの果てとして共有物分割請求にまでなだれこむというのは無いことでは無く、オーバーローン物件の分割方法をどう考えるか、参考になると思います。