弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

判例タイムズ1237号 調停論

坂梨喬「現代家事調停論 司法モデルから調整モデルへ」
人訴の家裁移管により調停の形骸化が懸念されたが、それには調停自体の内包する問題点(「過剰で直裁的な説得力の協調と調整力の脆弱さ」)から生まれる部分もある、と。従来の調停論をメッタ斬りしつつ、パターナリズムを去り当事者主体の調停を実現すべく、家事紛争を法的紛争でなく人間関係紛争ととらえること、調停を裁判の代替物でなく調停として純化すること、調停を対話の場として運用する技法を調停委員が身につけることの意義を説くものです。調停運営についての視点を得るために必読といえましょう。