・窪田充見「面会交流の現状と課題」
フラットに見た現状と、原則例外という判断プロセスへの問題提起です。
原則例外という判断構造において、子の利益は十分に反映されているか? 「子の福祉を害する特段の事情」、「子の利益に直接かつ明白に反し子に有害であることが明らか」、という例外の限定的な規定は、子の最善の利益と齟齬しないか。
面会が原則的に子の利益にかなうという前提は論証されているか。
原則例外という判断構造が安易に流れないか。
そして、面会交流に関する実証的研究は十分か。
・東京高裁平成29年3月2日決定
夫が婚姻中に宝くじで約2億円を当選したことと財産分与について。原審は当選金を固有財産としているようですが(「一定の優位性ないし優越性」という文意はよくわかりませんが)、これを変更し、宝くじの購入資金の原資が小遣い(家計由来)であるとして夫婦共有財産とした上で、分与割合を夫6:妻4とした高裁決定です。