弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

2011-01-01から1年間の記事一覧

ロバート・A.ハインライン「月は無慈悲な夜の女王」、ジェイムズ・P・ホーガン「星を継ぐもの」

これも夏休みっぽい読書。SF欲はたまに高まるのですが、美形が出てきたりあざとい萌えがあったりするライトノベルっぽいのには間違っても当たりたくないので、なかなか実際に手に取るに至らないのです。革命ものの前者はいまいち私の趣味からは外れるけど…

NHK「東海村臨界事故」取材班「朽ちていった命―被曝治療83日間の記録」、吉村昭「三陸海岸大津波」

夏の課題読書的に、時事ものをすこし。この夏は戦争ものを読まなかったな…

家庭裁判月報第63巻第8号 氏の変更が抗告審2例

未成年の子がいる者につき性同一性障害を理由とする名の変更が許可された高松高裁平成22年10月22日決定、日本人配偶者が外国人配偶者の通称氏に変更することが許可された福岡高裁平成22年10月25日決定が紹介されています。どちらも、一審は申立…

家庭裁判月報第63巻第7号 戸籍訂正、こども手当・高校無償と婚費

・鈴木千帆「戸籍訂正許可の審判について〜初めて戸籍訂正許可事件を担当する裁判官のために」 虚偽の届出をしちゃった/されちゃったけどどうしたらいい?という相談があったとしたら参照できそうです。 ・福岡高裁那覇支部平成22年9月29日決定 子ども…

大野更紗「困ってるひと」

どこでもすごく評判よいですね。難民を支援してきた著者が難病で支援を求める立場になり支援の罠(甘えてしまい自立できない、支援者を疲弊させてしまう)にはまる。弱者が最後に頼れるのは制度だと思い至る。治療の面では申し分ない医師が社会福祉制度のこ…

Wink「払わない親の本音―養育費実態調査 アンケートとインタビュー 離婚・未婚の父・母・子どもたちの声」

当事者の声部分もですが、相談活動の限界とそれでも相談でできることもあるという支援者としての思いの部分もなるほどと。弁護士はひごろ当事者と接してるんだからこういうのいちいち読む必要ないなんて思わないで、読んだらいいと思います。 養育親を啓発し…

まとめ書き

5〜6月はまったく更新してなかったので、そのあいだに読んだものを過去日付で書いておきました。やっつけ感がありありですが主に自分のための記録なのでしかたないのです。

松橋犬輔, 北尾トロ「裁判長!ぼくの弟懲役4年でどうすか」

傍聴人として裁判をひとごととして見てきた著者が、被告人の身内として裁判を見るときに感じる落差がリアルに描かれていて、裁判関係者は読むべきと思いました。こちらもそうした当事者本人サイドの心情を取りこぼしていないか、当事者を単にケースとして取…

家庭裁判月報第63巻第6号 寄与分、統計

・東京高裁平成22年9月13日決定 療養看護、金銭援助の寄与につき、原審で認められなかったのですが、抗告審で400万円分が認められたケースです。原審ともざっと読んだ感じだけですが、事実認定が分かれたわけでなく、寄与に値するかどうかの価値判断…

中田亨「「事務ミス」をナメるな!」

誰かが紹介しているのを見て読んだのですが、なんでか1つもピンとくることなく終わりました。

中村安希「Beフラット」

「日本は、どうなっていくんだろう―。ひとり永田町に飛び込み、国会議員18人と向き合った若きノンフィクション作家のリアルで切実な絶望、そして希望。」という惹句。書評ではわりとよく書かれているけどこの本、著者が何も知らないままでただ議員に会いに行…

内澤旬子「身体のいいなり」

死ぬほどでない不調や(すぐに)死ぬほどでない癌の闘病記。おもしろかったです。男の人にはわかりづらいかもしれない。女の人は読んでみてほしい。私もひょんなことで遊び半分に足にお灸を据えてもらったとこからはじまり、毎晩自分でお灸して鍼にも通って…

角田光代「八日目の蝉」

web上で読んだ評に惹かれてひとりで映画を観て、それから原作を読んだという珍しいパターン。この作家のことはいつもエッセイがびんぼくさくてイヤだと言い言いしているのだけど(「読んでいつもビンボくさい気持ちになるから読まなきゃいいのにと思うの…

内田洋子「ジーノの家―イタリア10景」

「30年のイタリア生活で出会った忘れえぬ人々と生の輝きを綴った心を揺さぶる極上のエッセイ」なんて惹句を読むと須賀敦子さんの新作かと思ってしまいます。つい比べてしまうのは著者には悪いかもしれませんが、須賀さんの良さは題材の力だけではないのだな…

上條さなえ「かなしみの詩──「10歳の放浪記」その後」

「10歳の放浪記」の続編。もっとその後も読みたいけど書かれないのでしょうか。

上條さなえ「10歳の放浪記」

1950年生まれの著者が10歳当時ホームレスだったころの自伝。大人の都合にふりまわされる子供のけなげさ。恨む気持ちが完全に消えるまで書けなかったと。昇華された物語です。著者とだいたい同じ年の母に読んでもらったら、10歳のわりに子供すぎるという醒…

井上繁規「遺産分割の理論と審理」

井上繁規「遺産分割の理論と審理」(新日本法規)のハコがきつくて許せず容赦せん!と紙ゴミに出したらあんのじょう見とがめられて捨てさせてもらえなかった。posted at 18:23:23 2011年05月07日 もちろん中身は捨てずにチェックした。なにかの論点について本…

石川寛俊「医療裁判 理論と実務」

既に発表された講演や論文の再録。最後の近藤誠医師との対談(鑑定のありかたについて)が特に刺激的。許すまじ感あふるる。許すまじ感といっても石川先生だから、語り口自体はとても平静。でも淡々と語られる経過のひどさに読むがわは平静でおれない。

村山斉「宇宙は何でできているのか」

前半はかろうじてついていけたけど、後半は脱落…。神はサイコロを振らなくない、とかなんなのか。よくわからないけどすごいことになってるということはどうにかわかりました。

家庭裁判月報第63巻第4号 家事調停、相続放棄

・石田敏明「家事調停の運営について」 所長時代に調停委員研修会でされた講演の加筆修正です。 読んでちょっとびっくりしたのですが(ここまで率直におっしゃったかと)、男性調停委員には特に耳が痛いであろう部分が多いです。 「(略)どうもぎくしゃくし…

判例タイムズ1340、1341 調停委員の責任、税理士の責任

・判例タイムズ1340号 東京地裁平成21年10月26日判決 依頼者が出してきた資料を鵜呑みにして職員丸投げで申告した税理士の債務不履行責任を認めた判決です。きちんと検討して不審点を突くべしと。 管財事件なんかでは、金融機関に見せる用の決算書…

朝吹真理子「流跡」

「きことわ」が良かったので。これもとてもよかった。中勘助みたいな。っていうのは私の最大級の褒め言葉。そういえば「きことわ」のときも書いていた。なにかの雑誌で青木繁の絶筆「朝日」の波をみて、「流跡」での波の描写を思い出した(巻き髪にたとえて…

河野裕子、永田和宏、その家族「家族の歌 河野裕子の死を見つめた344日」

歌をつうじて互いの気持ちをこんなにも通わせている家族であるというすごさ。それでも、死にゆく人の心のうちは、家族ひとりひとりがそっと推し量るしかないのだなあ。 3月に亡くなった人のことを考える。AIでわかったという死因からは、明日がないとは思…

検査にきたけど前提条件整わず出直しに。この事態を有意義化するにはどうすべきか・・とりあえずコーヒー飲んでデパートの開店を待つ。チューリップか桜の枝でも買って帰ろうかな。でも明日から事務所にいないんだ。やっぱりラベンダー色が好きなんですねっ…

もう、熊ふう本気コートはおわりにしよう。両目とも赤いのは結膜炎か寝不足か。コデイン飲んでもうねよう。あしたがんばればあさっては桜がみれるはず。まだ赤いから結膜炎でした。コデイン追加投入(6時間あきました)。桜、桜!(自分を励ましている。でも今日…

とりあえず恥を知らないわけでもないらしいことがわかった。もうこれ以上もんくを言ったり追及したりは(心の中でも)しないから、こころおきなく新たな任地に行きなされ。年度がわりは余裕もってすごせるはずと思いつついまいちそうでもないのが通例。去年…

5週間くらい続いたトンネルを抜けた気分。

岩田太「患者の権利と医療の安全?医療と法のあり方を問い直す」

会務の課題図書のつもりで読んだもので、いかにも教科書で取っつき悪いかと思いきや、興味ぶかく読めました。これはちょっと脇道の感想ですが、専門家としての医師がどうふるまうべきかの議論を読むと、弁護士である我が身をかえりみて得ることも多いもので…

明日は東京(ヒコーキまだとってない)、北海道仕様の熊風コートでは暑いのだろうか。アマゾンで注文して14日に発送された荷物、進捗状況が進化しないままなのだけど、いったいどうなってるのかしら。待っていればいつか着くのか。舐め子も私も熱発。もの…

あとは焦ってもしかたないただ座ってつれていかれるだけだ。また酔ってきた。くそー旭川め。有意義にすごすのは難しい。持ってきた朝刊くらいは読みたいと思いつつ無理だな。と思いきや朝刊読んだし研修本も読みかけられた。わたしえらい。