弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

家庭の法と裁判38号 間接強制、財産分与、子の監護者指定と海外連れ去り

例の少年法の論文は少年法がわからず読んでもわからなかろうとチェックせず。

・大阪高裁令和3年8月2日決定

直接面会を定める調停調書に基づく間接強制の申立。1人1回4万円を命じた原決定を過酷執行にあたると取り消して却下。不実施とされる期間につき感染症拡大によるウェブ面会はされていたこと、日程の変更の協議において面会親が誠実に対応したとは認めがたい場面が多かったことなど。

・大阪高裁令和3年1月13日決定

妻→夫の財産分与申立。夫は財産の開示拒否、調査嘱託にも同意せず金融機関も応じず。原審判は妻による推計(基準時前の残高+給与、児童手当-固定費支出)を認めた。夫は抗告審で預金額を開示し、推計額より低かったが、差額は他の口座にあるだろうとして原審判維持。

東京家裁令和3年5月31日審判

父(外国籍)が別居に際し子3人のうち上2人を下校中に連れ去って単独監護開始→子の監護者指定引渡申立→父が子らを家裁の手続中に海外渡航→母による申立認容。同居中の主たる監護者は母。子らへの調査官調査は不実施、子らから父と暮らしたいという手紙や動画あり。執行どうなるのか…