弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

2019-01-01から1年間の記事一覧

三浦瑠麗「孤独の意味も、女であることの味わいも」

女性の自伝ならひとまず読んでみるというだけだったのですが…びっくりしました。amazonのレビューに同じようなことがたくさん書いてありますが、なんか嫌いと思っている人でも読んでみたらいいのでは。 (追記↓) headlines.yahoo.co.jp この記事、わ…

金融法務事情2114号 相続法改正

「遺産分割前の預貯金債権の行使に関する理論的問題の整理」

ジュリスト1533号 弁護士倫理

「座談会 弁護士報酬と預か金管理」 完全成功報酬制(コンティンジェント・フィー)がどこまで許容されるか、医療事故周りでは気になるところで、どこから暴利なのかの議論など。海外では離婚事件での禁止(離婚を助長するおそれ)など。

判例時報2400号 法人の善意悪意

東京地裁平成29年10月27日 売主の瑕疵担保責任の売主の善意悪意の判断において、「中興の祖」である元代表取締役(現代表取締役の父)の認識をもとに悪意とした裁判例です。

金融法務事情2113号 配偶者居住権

「配偶者居住権と不動産競売」 配偶者居住権と抵当権の実行の対抗関係の整理。 配偶者が債務者である場合? 被相続人の債務を相続して債務者である場合?

片山杜秀「未完のファシズム 「持たざる国」日本の運命」

読めない期にあったときに「必読」と勧められてGWにやっと読んで(改元の読書としてふさわしかった)、そしてやっぱり必読です。第一次世界大戦の教訓として日本が何を得たか、そこからどうして第二次世界大戦につながったか。

判例時報2398号 支援金と不当利得

東京地裁平成30年9月27日判決 被災者生活再建支援法による支援金について、り災証明が修正されたことにより不当利得となるかどうか。本判決は棄却判決ですが、同じ9月に東京地裁で認容判決も出ています。

論究ジュリスト1532号 相続と登記、弁護士倫理

・「相続と登記 相続による不動産物件の承継の対抗要件」 ・「座談会 事件受任における弁護士倫理」

判例時報2395号 間接強制、ハーグ

・大阪高裁平成30年3月22日決定 面会交流の間接強制金を原決定の1回5万円から20万円に変更した高裁決定です。相手方は歯科医師で年収476万円。申立人から相手方への婚姻費用は月額21万円。 ・大阪高裁平成28年8月29日決定 ハーグ条約の子…

金融法務事情2110号 相続法改正

「相続預貯金の無権限払戻し(いわゆる勝手払い)と相続法改正」

ジュリスト1530号 相続法改正

「連載 相続と法実務 預貯金債権の共同相続」

家庭の法と裁判19号 相続法改正、婚姻費用、遺言無効、養育費減額

・「相続法改正における公証実務上の留意点」 ・東京高裁平成29年12月15日決定 高額収入と婚姻費用 ・東京高裁平成29年8月31日判決 認知症の公正証書遺言の遺言無効の認容例 ・大阪高裁平成28年10月13日決定 養育費の変更。私立高校進学し…

判例タイムズ1457号 IT化

・「米国における裁判手続等のIT化の現状について」 ・東京高裁平成30年4月20日決定 原審(無職の申立人の潜在的稼働能力認定、相手方が子を連れ去り監護していた期間の婚費減額せず)→抗告審(子が幼少で潜在的稼働能力否定、監護していなかった期間…

江國香織「彼女たちの場合は」

ひたむき(視野がせまい)で謎の自分の感覚で突き進む系のいつもの江國です。

「ろう者のがん闘病体験談」

手話は日本語ではないとか、ろうの方が日本語を読めばわかるというわけではないとは知りませんでした。情報の入力方法が違うことで、ものごとのとらえかた自体が違うというのは説明されてみればなるほどです。

吉田修一「続横道世之介」

愛すべきダメ人間像をあじわう心地よさがあります。

ハンス・ロスリング「ファクトフルネス」

自己啓発系の本みたいに思うかもしれませんがそんなことはなくて、知のためには読んでおくべき本でした。 「悪い」と「良くなっている」は両立する。

東畑開人「居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書」

「大感動のスペクタクル学術書」ってなんのことやらですが本当にそうなのです。 氷の下にクジラがいて、クジラも含めての全体であること。

清水聡「家庭裁判所物語」

仕事として家裁に出入りすることのある人には必ず全員読んでほしい! どうしてこんな地味な装丁で、昔に出た本の復刻版みたいなどうでもいい感じなのでしょう? これはすごい本ですよ。胸をうつ愛と感動の物語が家裁にはあったのです。しかし今は? 掛け軸は…

平野啓一郎「ある男」

ライトで確実におもしろく読めるものを求めてたときに。期待どおりでした。

久保田勇夫「役人道入門 組織人のためのメソッド」

役人でも組織人でもないですが、だからこそのお勉強として。 ・鉄のような厚い面の皮とずぶとさに徹した腹の黒さ! ・ある事項を説明するときにそれに最もふさわしい表現はただ1つ。それぞれの状況において最も適切な文書はただ1つ。作文修行はこの唯一の…

東直子、穂村弘「しびれる短歌」

吉村昭「三陸海岸大津波」

論究ジュリスト28号 民事訴訟利用者調査

「特別座談会2016年民事訴訟利用者調査の分析」 ・原告の本人訴訟「自分だけでもできると思った」62.5%で10ポイント以上増。アクセスの問題は解消しつつあり自分の思いどおりに裁判を進めたいというこだわり背景? 本人訴訟への後見的な訴訟運営…

ジュリスト1529号 控訴審

「訴訟実務のバイタルポイント 控訴審」 一回結審と逆転判決と不意打ち批判。高裁としては結審後の和解における心証開示があれば不意打ちではない(当事者的には審理は終わってしまっているのにと思うがそこはすれ違う)。 門口先生「私どもの時代には、一回…

ケース研究334号 ハーグ条約

「子の返還に関する調停の実務 東京家庭裁判所における調停の実践例から」

金融法務事情2108号 改正相続法

「改正相続法における相続預貯金の仮払い制度への実務対応」 「遺産分割前の預貯金の払戻請求と相続法改正」 改正法による払戻は施行前の相続発生でも可。

金融法務事情2107号 民事信託、事業承継、預金債権特定

・「民事信託の活用と今後の課題」 ・ 「民法(相続法)の改正と事業承継」 遺留分算定の基礎財産に参入される「特別受益」と遺留分侵害額の算定に際して差し引かれる「特別受益」は違う。相続開始前10年の受益は、被請求側分は参入されず、請求側分は参入…

NBL1139号 相続法改正

「相続法改正の概要」 寄与分の要件が「特別の寄与」だけど新設の「特別の寄与料」も「特別の寄与の制度」とかって言われるのでまぎらわしい…。 寄与分は、通常の貢献は相続分による取得で評価されているという前提で「特別の寄与」のハードルが高いが、「特…

家庭の法と裁判18号 養育費と扶養料、監護者指定引渡、婚費減額の分割払

・大阪高裁平成30年3月15日決定 原審が養育費事件(母申立。終期を大学卒業まで+学費の支払いを求める)と扶養料請求事件(子本人申立)と2件ある抗告審で、支払いの終期を大学卒業までとし、子が20歳になったということで債務名義を扶養料に一本化…