弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

家庭の法と裁判43号 面会交流、婚費、養育費減額と審判前保全、ペットの親権養育費

・東京高裁令和4年8月18日決定

別居中夫婦で子らは夫と同居。妻からの面会交流申立。間接交流とした原審を取り消し差し戻し。原審の問題点として、直接面会を検討すべき事情を適切に考慮していない、調査時期が古い、直接交流の支障はない二女まで間接交流にしている、を指摘。

・大阪高裁令和4年2月24日決定

高額所得者(夫。開業医。事業収入約7500万円)の婚姻費用。

・東京高裁令和3年5月26日決定

強制執行停止を求める審判前保全処分(公正証書で定めた養育費の減額を求める調停審判が本案)の保全の必要性を否定した原審を取り消し差し戻し。原審は請求異議をすればいいと保全の必要性を否定し却下。

福岡家裁令和2年9月24日判決

離婚判決において財産分与として犬の帰属と、扶養的財産分与として定期金(飼育費用)の負担を命じた判決。犬はゴールデンレトリバー1、中型雑種1、ラブラドールレトリバー1。夫が家を出て別居、残された犬は妻が飼育、餌代は夫が負担。原被告の住居や収入の状況に照らし夫3分の2、妻3分の1の持分による共有とし、それに応じた飼育費用負担。家賃のうち犬に要するのは半額程度の2万2500円、餌代1頭あたり月額1400円で、夫は妻にそれぞれの3分の2を犬の飼育終了まで支払う。なお、理由なく一方的に別居の慰謝料として200万円認容。