弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

単行本

パウロ・コエーリョ「不倫」

梨木香歩「海うそ」、中勘助「島守」

保坂和志「読書実録」

・読書実録。読書と実録、読書の実録、読書は実録 ・たしかとはどういうことか? それはまったくたしかではないそれをたしかと思うことだ。(「カンバセイション・ピース」!) ・原因と結果はワンセット。 ・本当になる前にはっきり解読できているとしても…

鎌田東二×南直哉「死と生 恐山至高対談」

・死者はリアル。思い通りになるものがヴァーチャルで思い通りにならないものがリアル ・死体と遺体が失われたときに死者を立ち上げるやり方の一つが葬儀まあこのへんはいつもの発言… ・私(A)が私(A)であるということは、そのように自分の記憶が連続し…

シモン・ストーレンハーグ「ザ・ループ」「フロム・ザ・フラッド」「エレクトリック・ステイト」

ロボット好き男子といっしょに単に、画集として眺めていたのを、ようやく通読。 背後にはもはや、安全な日常生活なんかなく、戻るべき正常なゾーンもなく、出る道は前進しかない。(エレクトリック・ステイト) わたしたちのやってることは文明的じゃない、…

春日武彦「援助者必携 はじめての精神科 第3版」

全面書き直し!の第3版。第2版の帯の背「超実践的アドバイス集(ちょっと毒入り)」が、第3版では「口は悪いが役に立つ超実践的アドバイス集」となってて、そのとおり第3版は毒ひかえめに感じます。口調がですますになった以上のやさしさ感。春日先生ま…

河野貴代美「わたしを生きる知恵」

森瑤子に半年の?カウンセリングをされた方(「叫ぶ私」「夜ごとの揺り籠、舟、あるいは戦場」参照のこと)。

新井素子「ひとめあなたに…」

終末ものってことで、20年以上ぶりの再読。わあこの語り口、無理、と最初は思ったけど慣れればなんとか…。それにしても、若い…

チャールズDレイクⅡ「社外取締役の兵法 グッドガバナンスの実践」

あとがきにもあるように、これは小論文集…おかたい教科書です。 持ち合わせる知見のみに頼らず、勉強、鍛錬、準備、そしてその時々で最善の戦いを。「徳」と「覚悟」とともに。

犬山紙子「すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある」、エスター・ペレル「不倫と結婚」

・人が不倫のなかに発見する最も魅惑的なものは、新しい相手ではなく、新しい自分自身である ・お互いが関係をよくしようと思い、口に出した瞬間から2人はよい方向に転がり出す。その先にあるのは「互いに生きているだけで喜びを与えあえる」という人生の大…

橘木俊詔、迫田さやか「離婚の経済学 愛と別れの論理」、亀山早苗「人はなぜ不倫をするのか」

・結婚は判断力の欠如、離婚は忍耐力の欠如、再婚は記憶力の欠如

村上龍「MISSING 失われているもの」

精神的な強靱さはそれ自体、本来的には不健康であって、かつ、そのようになった背景には痛ましい体験や環境が、必ず、ある、しかもその来歴を自分が強靱な精神でもって自分に隠しているので、自覚ないまま生きている、精神的に強靱である本人は、その強靱さ…

林真理子「綴る女 評伝宮尾登美子」

さかのぼると私が宮尾登美子読んでたの14年前。14年前…。梯久美子「狂うひと 『死の棘』の妻・島尾ミホ」みたいな発見や掘り下げまでは期待できないのですが、宮尾ワールドのファンとしては楽しく読めました。

江國香織「去年の雪」

庄野潤三を読んでるときのようなトリップ感。 この世にすべては並行して進行し存在するのだと、思います。

白石一文「君がいないと小説は書けない」

週刊新潮の連載小説で、ああいうのが叙述トリックというのかな、急にSFっぽくなった感じもうまいなあと思ったので新刊を読んでみました。想が発するままに流れゆく、こだわりオジサンのごにゃごにゃ語り、ちょっと保坂っぽいんじゃないでしょうか。ネコも…

エリザベス・F・ハウエル「心の解離構造」

お勉強として、何日もかけて線引きながらゴリゴリ読みました。いままで読んできた助走(←ここにはほとんど書いてませんけど)があったからか、これだけの分厚さの本書ならではか、これまで以上にこの問題についてわかった感あり。何のことやらまったく理解で…

宇野千代「生きて行く私」

何十年ぶりに再読、のはずがいまいちおぼえてなくて新鮮に、とんでもない行動をドライな文章で。かっこいい!

テッド・チャン「息吹」

だいぶ前に読んでたのに書くの忘れてた。 冒頭の「商人と錬金術師の門」が一番かなあ。以下の抜き書きも、そこからばかり。 ・悔悛と償いが過去を消し去る。未来もまた同じ ・行動の結果を引き受けて生きなければならない ・偶然も故意も、一枚のつづれ織り…

上岡陽江、大嶋栄子「その後の不自由」大嶋栄子「嵐のあとを生きるひとたち」「生き延びるためのアディクション」

・必要なのは不死身の身体ではなく、自分を支える技術と、弱さを媒介とした応援団とのつながり。・「性格的な弱さから嗜癖問題に逃避したどうしようもない自分」という物語を、「自分には逆境を跳ね返す力があり、嗜癖問題からの回復という責任を果たそうと…

田中美津「明日は生きてないかもしれない…という自由」

病むときには病むが良き候 自分一人で行う敗者復活戦

宮野真生子、磯野真穂「急に具合が悪くなる」

つねに不確定に時間が流れているなかで、誰かと出会ってしまうことの意味、そのおそろしさ、もちろん、そこから逃げることも出来る。なぜ、逃げないのか、そのなかで何を得てしまうのか 分岐ルートのいずれかを選ぶとは、一本の道を選ぶことではなく、新しく…

黒川昭登「うつと神経症の心理治療 「自分」とインナーペアレント」

・正しいことをすることは最善のことである。誤りを犯すことは、それでも次善のことで悪くない。最悪のことは何もしないことである。 ・言うのは自由、するしないは相手の自由

小柳ちひろ「女たちのシベリア抑留」

テレビがもとの本というのは、一直線なことが多いような気がします。一直線でない止揚を感じるといったらたとえば「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」

奥田祥子「夫婦幻想 子あり、子なし、子の成長後」

さまよい・逃避・孤立する夫と、憤り・積極的・活動的な妻。

濱野ちひろ「聖なるズー」

ズーとは、動物性愛者。 なにそれありえない、という第一印象が…読むと、なるほど?!となってしまうすごい本です。 動物性愛は病気かセクシュアリティか。 支配と関係性、パートナーどうしのパーソナリティの理解、欲望と自制、などなど。 恐怖や悲しみが人…

神林長平「我語りて世界あり」

このくらいの語り口、難解さ(設定こみいってる!)が好き。だれの子でもない、私の子というあたりは「先をゆくもの達」につながる。「レームダック」は「オーバーロード」を再読してからにしたくてまだ読めていない。

朝倉かすみ「平場の月」

意地を張る美学で泣かせるみたいなのは好みではない。

おおたとしまさ「ルポ教育虐待」、友田明美「子どもの脳を傷つける親たち」

富岡多恵子「遠い空」

森瑤子

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